新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が5日、東京・両国国技館で行われた日本大相撲トーナメントの第41回大会で初優勝を果たし、優勝賞金250万円などを獲得した。

 準決勝で関脇玉鷲(32=片男波)を押し出すと、決勝では幕内貴ノ岩(26=貴乃花)を突き落として“横綱初タイトル”をゲット。たとえ花相撲でも、手を抜く考えなど毛頭なかった。

 実際、昨年10月の全日本力士選士権で初優勝。九州場所と初場所の好成績につなげて綱取りを実現させた。今回も他の上位陣が次々と姿を消す中で、結果を残した新横綱は「こういうのが大事。優勝できて自信になる」と大きくうなずいた。この日は聖地の国技館で雲竜型の土俵入りも初披露。超満員の観客から最も大きな声援を受けた。

 稀勢の里は「(国技館は)独特のすり鉢状で声が中央に集中しますから。明治神宮(の土俵入り)とは違うものがあった」と横綱昇進を改めて実感した様子。今後に向けては「しっかり稽古して一つひとつ、焦らずやっていきたい」と言って表情を引き締めた。