【大相撲初場所】横審委員長が稀勢の里の「初優勝&綱昇進」を熱望するワケ

2017年01月18日 14時00分

照ノ富士(左)を力強く寄り切った稀勢の里

 大相撲初場所10日目(17日、東京・両国国技館)、大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が大関照ノ富士(25=伊勢ヶ浜)を寄り切って9勝目。幕内で唯一1敗を守り、賜杯レースで単独トップに立った。悲願の初優勝の期待が高まる一方で、成績次第では今場所後の横綱昇進の可能性もある。横綱審議委員会の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)も“同時達成”を熱望している。そのワケは――。

 大関対決を制した稀勢の里は取組後「集中してやりました。一日一日が勝負。しっかりやるだけ」と言って表情を引き締めた。

 優勝争いで単独トップに立ち、悲願の初優勝の期待は高まるばかり。日本相撲協会の審判部も昨年の年間最多勝(69勝)を高く評価。14勝1敗や13勝2敗で決定戦勝利などハイレベルな内容での優勝なら、横綱昇進にゴーサインが出る可能性もある。

 日本出身の横綱が誕生すれば、1998年の三代目若乃花以来19年ぶり。横審の守屋委員長も和製横綱を熱望している一人だ。同委員長は今回の初場所を最後に任期満了で退任することが決まっている。ただし、稀勢の里が晴れて横綱に昇進した場合は、東京・明治神宮で初披露される新横綱の土俵入りに横審委員長として立ち会うことになるのだ。

 守屋委員長は「もちろん、稀勢の里には優勝してもらいたいし、横綱にもなってもらいたい。私は今場所が最後ですが、正式な任期は次の春場所の番付発表(2月27日)まで。明治神宮の土俵入りでは、私が横審の委員長として(稀勢の里に)綱を手渡すことになっている。土俵入りも最前列で見られるし(横審委員長退任の)いい花道になります」と稀勢の里への思いを語った。

 もちろん、それを実現するためには稀勢の里が誰もが納得する好成績で優勝する必要がある。横審の内規では、横綱に推薦するためには出席者の3分の2以上の賛成が必要。仮に初優勝を果たしたとしても12勝などの低レベルな成績であれば、横審委員の間でも反対意見が多数を占めて綱取りが見送られる可能性もある。すべては、残り5日間の稀勢の里次第であることは言うまでもない。

 にわかに現実味を帯び始めてきた和製大関の「初優勝」と「綱取り」。今回を逃せば、すぐに次のチャンスが訪れる保証はない。稀勢の里にとっても同時に達成してしまいたいところだが…。果たして、どうなるか。