大相撲初場所6日目(13日、東京・両国国技館)、2連覇を狙う横綱鶴竜(31=井筒)が5連敗中の幕内荒鷲(30=峰崎)に一方的に寄り切られて金星を配給。4日目から格下に3連敗となった。取組後は「ナメてかかりすぎ。何かがおかしい。頭は冴えないし、落ち着きもないし。反省して、しっかり修正しないといけない」と悔しさを押し殺すように話した。

 日本相撲協会の八角理事長(53=元横綱北勝海)は「ちょっと集中力を欠いている」。審判部長の二所ノ関親方(60=元大関若嶋津)は「横綱は“どこから行っても勝てる”と思ったんじゃないか」と油断を指摘した。連覇どころか、横綱として最低限の務めである優勝争いからも脱落寸前。何より、これ以上の格下への取りこぼしとなれば、綱の権威が大きく揺らぎかねない。

 横綱審議委員会の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は3日目に日馬富士(32=伊勢ヶ浜)が連敗すると、早期の引退の可能性を指摘。この日は「横綱が格下に連敗したらいけない」と改めて強調した上で「白鵬(31=宮城野)はまだしばらくはやれると思う。日馬富士の引退が先か、鶴竜の引退が先か」と白鵬以外の2横綱のふがいなさを嘆いた。大きく狂ってしまった歯車を、ここから元に戻すことができるのか。