大相撲初場所(1月8日初日)を前に横綱審議委員会による稽古総見が28日、東京・両国国技館で行われた。

 自身初の連覇を目指す横綱鶴竜(31=井筒)は稀勢の里(30=田子ノ浦)ら大関陣を相手に8勝2敗と好調をアピール。鶴竜に押し倒された豪栄道(30=境川)が横審委員のテーブル席に突っ込み、茶碗が割れる場面もあった。

 稽古後の鶴竜は「悪くはなかった。先場所が終わってから、あまり休んでいない。続けてやってきた結果」と納得の表情。初日に向けて「いつもやっていることをやる。もちろん結果を出したい」と意気込んだ。

 日本相撲協会の八角理事長(53=元横綱北勝海)は「鶴竜は体調が良さそう。踏み込みが良かった。先場所の勢いがある感じがする」と評価した。

 この日は3横綱4大関がそろい踏み。横綱白鵬(31=宮城野)は新関脇の正代(25=時津風)を指名し、10戦全勝と貫禄を示した。

 普段は辛口の評価が多い横審の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)も「活気があった。久しぶりにいい稽古総見を見せてもらった」と満足げ。初場所の優勝争いについては「みんな横一線じゃないでしょうか」と予想した。