【大相撲九州場所】稀勢の里“不名誉記録”回避なるか

2016年11月22日 14時00分

稀勢の里(左)は豪栄道の綱取りの夢を砕き、意地を見せた

 大相撲九州場所9日目(21日、福岡国際センター)、大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が綱取りに挑む大関豪栄道(30=境川)を土俵際で突き落として逆転勝ち。2敗同士の直接対決を制して優勝争いに踏みとどまった。取組後は「集中してやることだけを考えた。今日は今日、明日は明日」と言って気持ちを引き締めた。

 

 この日の白星で今年64勝目。横綱日馬富士(32=伊勢ヶ浜)とトップに並んでいる。年6場所制となった1958年以降で年間最多勝利を挙げながら優勝しなかった力士は一人もいない。全幕内力士の中で最も白星を重ねれば大きな勲章に違いないが、賜杯を一度も手にできなければ、かえって“不名誉”な印象すら与えてしまうのだ。

 

 大関と横綱で一度ずつ最多勝利を経験した伊勢ヶ浜親方(56=元横綱旭富士)は「自分が大関の時は横綱と大関が(最大で)4人ずついたから大きいよね。(最多勝利は)励みにもなる」と話す一方で「優勝のほうが価値が高い? もちろん、そうに決まってる。皆がそこを目指してやっているわけだから」と言い切った。

 

 全力士の目標は賜杯を抱くこと。最多勝利は後からついてくる結果にすぎない。極端な話、年5場所で休場しても、1回優勝したほうが相撲界では「偉い」のだ。今年は和製大関3人のうち2人が初優勝。最後の場所で、意地を見せられるか。