【九州場所】白鵬も撃破!遠藤が“注目度低下危機”の救世主だ

2016年11月19日 14時00分

 大相撲九州場所6日目(18日、福岡国際センター)、平幕の遠藤(26=追手風)が寄り切って横綱白鵬(31=宮城野)に5度目の挑戦で初勝利。ここまで1横綱3大関を撃破する快進撃で故障からの完全復活を強く印象づけた。優勝候補の筆頭に挙がる白鵬を倒し、賜杯レースの混戦模様まで演出。注目度低下の危機にあった九州場所の盛り上がりに、大きく貢献することになりそうだ。

 

 最強横綱を一方的に寄り切る完勝だった。取組後、遠藤は「ガムシャラにいくことだけを考えました。雰囲気にのまれることなく集中した。うれしいです」と勝利の味をかみしめた。一方で金星配給の白鵬は「ちょっとした緩み。(遠藤は)勢いがあるんじゃないですか」と完敗を認めるしかなかった。

 

 昨年の春場所で左膝半月板損傷、前十字靱帯損傷の全治2か月の大ケガを負い、その後は右足首も痛めるなど満身創痍。一時は番付を十両にまで落とした。そこから地道な努力を重ねて秋場所では全勝優勝の大関豪栄道(30=境川)に次ぐ13勝を挙げて復調をアピール。まだ体の状態は「6~7割」(遠藤)と言うものの、今場所は1横綱3大関を撃破して「台風の目」になりつつある。

 

 このまま白星を重ねて勝ち越せば、新三役も現実味を帯びてくる。さらに白鵬からの金星は、九州場所の盛り上がりという側面からも大きな意味があった。

 

 ここまで福岡出身の大関琴奨菊(32=佐渡ヶ嶽)が3敗しているのをはじめ、地元の九州勢は苦戦気味。この日は関脇高安(26=田子ノ浦)が3敗目を喫し、今場所での大関取りがほぼ絶望的となった。さらに、綱取りに挑む豪栄道が初黒星。優勝候補筆頭の白鵬が抜け出しかねず、今場所の見どころが一気に失われる事態もあり得た。

 

 しかし遠藤が結びで白鵬を撃破したことで、結果的に豪栄道の綱取りへの期待をつなぎ留めることになった。遠藤自身も2敗を守り、今後の成績次第では一気に主役に躍り出る可能性も残している。角界関係者でさえ「ここまで遠藤がやるとは予想していなかった」と驚く活躍ぶりだ。

 

 話題が豊富だったこともあり、今場所は昨年の入場者数を上回り、13日間の大入りが出る見込み。来年は1996年以来の15日間の満員御礼を視野に入れている。リピーターを確保する意味でも今場所の盛り上がりは不可欠。遠藤が、その“救世主”となるかもしれない。