大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)で綱取りに挑む大関豪栄道(30=境川)が2日、福岡市内で場所のPRイベントに参加し、約500人のファンが集まった。

 9月の秋場所は日本出身者では20年ぶりとなる全勝で初優勝。この日は豪栄道グッズを手にした複数の女性ファンが出現するなど、先場所の活躍で人気と知名度は着実にアップしている。

 これまでは和製大関の中で完全に“負け組”だった。大関昇進後の2年間でカド番が4度。2桁黒星の大敗も2度あり「ダメ大関」のレッテルを貼られた。琴奨菊(32=佐渡ヶ嶽)は今年の初場所で和製力士として10年ぶりに優勝し、稀勢の里(30=田子ノ浦)も春場所から3場所連続で綱取りに挑戦して大きな注目を集めたのとは対照的だった。

 一人だけ取り残された格好だった豪栄道は「同じ番付(大関)なんだけど、僕は全然、騒がれることもなかった。そのへんは悔しさがある」と複雑な胸の内を明かしている。そんな暗黒時代も、初Vで終止符。立場を完全に逆転させた。イベントを終えた豪栄道は「励みになりますね。自分のファン? 本当にうれしい。ありがたいですよ。応援の声を力に変えていきたい」と改めて周囲の期待を実感した様子だ。

 もちろん、注目される立場を持続できるかどうかは、今後の活躍次第。“一発屋”で終わらないためにも、ここで結果を残したいところだ。