“世紀の誤審”で大鵬の連勝止めた元小結羽黒岩が死去

2016年10月24日 13時41分

元小結羽黒岩の戸田智次郎さん(写真は1969年1月)

 大相撲“世紀の誤審”のもう1人の当事者が亡くなった。1969年春場所、横綱大鵬の連勝を45で止めた元小結羽黒岩の戸田智次郎さんが23日午前に死去したことを日本相撲協会が24日、発表した。70歳だった。戸田さんが大鵬を破った一番は後に判定が議論を呼び、事実上誤審とされている。敗れた大鵬の納谷幸喜さんは2013年1月、72歳で死去している。

 

 戸田さんは宮崎県延岡市出身。柏戸・大鵬時代幕開け期の61年夏場所に立浪部屋からデビュー。65年九州場所に新十両になり、67年初場所に入幕を果たした。73年夏場所には小結を務め、78年春場所で引退した。

 

 鋭い出足が持ち味で、しこ名が「戸田」だった69年春場所2日目の大鵬戦も激しく前に出る相撲で押し出した。だが、土俵際で右に回りこんで相手を引いた大鵬の足が残っていたのに対し、前のめりになった戸田の右足が俵の外に出た。軍配は大鵬に上がったが物言いがつき、協議の結果、行司差し違いで戸田の勝ちに。だが、取組映像では明らかに戸田の足が先に出ており、世紀の誤審と騒がれた。

 

 双葉山の69連勝に次ぐ記録を続けていた大鵬は5日目から休場。翌場所から勝負判定にビデオ映像による検証が導入された。これは誤審騒動のおかげだとも言われるが、すでに決まっていたという説もある。