大相撲名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)の新番付が27日、発表された。今場所は大関稀勢の里(29=田子ノ浦)の綱取り挑戦に注目が集まる。2場所連続で13勝を挙げ、これまでの課題だった格下への取りこぼしも減少。1998年の三代目若乃花以来18年ぶりとなる和製横綱誕生への期待が高まっている。

 ただ、ハードルは低くはない。先の夏場所は13日目に横綱白鵬(31=宮城野)との全勝対決に完敗。翌14日目には横綱鶴竜(30=井筒)にも敗れ、大事な終盤戦で致命的な連敗を喫した。綱取りの最低条件となる「優勝」を果たすためには、さらなるレベルアップが必要となる。

 場所前の7月3日には30歳の誕生日を迎える。先代師匠の隆の里も30歳になってから横綱になった遅咲きの力士だった。新入幕から所要70場所で横綱となれば、琴桜と三重ノ海の60場所を大幅に更新するスロー記録となる。「体は元気だし、これから力もついてくると思う」という稀勢の里の悲願は成就するのか。