日本相撲協会は18日、東京・靖国神社の奉納相撲で熊本地震の募金活動を行い、九州出身の関取衆が募金箱を手に協力を呼びかけた。

 大分・佐伯市出身の関脇嘉風(34=尾車)は「佐伯市は大きな被害がなかったけど、いつ大きな地震がくるかと、おびえながら生活していると聞いてます。現地へ行って炊き出しをやるのが一番だけど、交通機関がマヒして難しい。一瞬でも恐怖を忘れられるように力士が自覚して相撲を取ることが大事」と語った。

 熊本・玉名市出身の十両天鎧鵬(31=尾上)は「こういうことしかできない。自宅は物が倒れるくらいだったけど、余震があるので親は車の中で生活している。父はずっと座って寝ていて体調が良くない。母もストレスで、じんましんが出ている。どうしようもできない」と沈痛な面持ちだった。

 募金活動は19日と20日の春巡業でも行う予定。力士会会長の横綱白鵬(31=宮城野)は「早い段階で協会が動いたので、それについていきたい。夏場所も控えている。地元力士が活躍すれば励みになる」と、力士会としても協会の支援活動に協力していく構えだ。