年寄名跡取り扱いは抜け道だらけ

2012年10月24日 11時00分

 来年11月までに新公益財団法人への移行を目指す日本相撲協会が18日、公益法人制度改革対策委員会を開いた。最大の焦点は年寄名跡(親方株)の取り扱いについてだ。年寄名跡とは、力士が現役引退後に親方として協会に残るために必要となる「免許」のようなもの。これまで数千万円、時期によっては1億円以上の高額で売買されてきたことが問題視されている。この日の会合では名跡の譲渡に伴う金銭の授受を禁止し、売買が発覚した場合には除名、または契約解除の処分を下す方針を固めた。また、土地、建物の譲渡や顧問料などの名目で金銭のやりとりがあった場合は、毎年協会に報告することが義務付けられる。適切な内容かどうかは協会の危機管理委員会が調査し、怪しいカネの流れがあれば処分を下すという。

 一見すると厳しい制度にも見えるが、現実には抜け道だらけ。土地や建物の譲渡金の水増しを見抜けるのか。「顧問料」や「指導料」の適正な価格など、そもそも存在するのか…。さらに言えば、金銭の授受を協会に報告せず、従来通り秘密裏に名跡を売買することも可能だろう。対策委の有識者メンバーの一人も次のように話す。

「性善説に立つか、性悪説に立つかという話。どんなルールを決めようが脱法行為をしようと思えばできるし、する者は出てくる。危機管理委の調査? 捜査権があるわけじゃない」

 この日の会合で一部の親方からは「協会に報告する義務はいらない」との意見まで出たという。こっそり陰で売買して、バレなければいい…そんな思惑も透けて見える。

 度重なるスキャンダルで角界改革が叫ばれながら、相変わらずのご都合主義。これで「公益法人」を名乗れるのか――。