【独占手記】琴奨菊 祐未夫人の「目隠しマッサージ」に感謝

2016年01月27日 06時00分

琴奨菊は本紙の写真を手に笑顔で語った

 大相撲初場所で日本出身力士による10年ぶりの優勝を果たした大関琴奨菊(31=佐渡ヶ嶽)がVから一夜明けた25日、本紙に独占手記を寄せた。初めて経験した賜杯の重みから千秋楽のVパレード直前の「秘話」、今月30日に都内で結婚披露宴を控える愛妻の祐未夫人の献身的な支えに対する感謝…。春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)で初の綱取りに挑む和製大関が、ありのままの心境をつづった。

 東スポ読者の皆さん、やりました! おかげさまで初優勝を果たすことができました。まだ現実感がない部分もありますけど、時間がたつにつれてジワジワと優勝した実感がわいてきています。やっぱり賜杯はあこがれだったし、小さいころからずっと夢見てきましたから。今回、自分にチャンスがめぐってきて、しっかりモノにすることができてうれしいです。

 佐渡ヶ嶽部屋でも琴光喜関や琴欧洲関が優勝した時に立ち会ったけれど、賜杯を抱いた時に感じる重さまでは想像もつかなかった。もちろん、自分が大関になってからもそうです。その賜杯を実際に抱いてみて、初めて分かったことがある。いろいろな意味で“重み”を感じることができたことです。それは単純に「何キロ」とか「何グラム」という重さだけでは量れないものがある。

 力士であれば皆がそこを目指しているけれど、チャンスがあっても必ずしもたどりつけるとは限らない。その意味でも「選ばれし者」しか手にできない賜杯に、何とか自分はたどりつくことができた。今まで歴代の優勝力士の方々が抱いてきたという“重み”も、そこには加わっていたのだと思います。

 賜杯を抱いたこと以外にも、優勝したことを実感した出来事がありました。優勝パレードのオープンカーに乗る直前のことです。山科親方(62=元小結大錦)に「来い!」と言われて、理事長室まで手を引っ張られながら連れていかれた。その場で八角理事長(52=元横綱北勝海)から「本当によくやってくれた! 本当におめでとう!!」と言っていただいて…。「ノドが渇いただろ。飲んでいけ!」とビールまで出していただいた。自分はほとんどお酒が飲めないんですけど(笑い)、「いただきます!」と言って半分ぐらい飲みました。すごく、うれしかったですね。

 今回初優勝できたのは、もちろん妻である祐未の存在も大きかった。初場所中も夜の寝る前にマッサージをしてくれました。スタジオジブリの癒やし系音楽のメドレーみたいなやつ(笑い)をかけながら、キャンドルもたいてくれて。その間、自分はホットアイマスクをするんです。人間は目から入ってくる情報に一番集中力を使うし、すごく脳が疲れるからだそうです。

 そういうところまで祐未は考えてくれているんです。自分はアイマスクで目からの情報をシャットアウトして耳から入ってくる音楽、鼻からの香りで本当にリラックスすることができた。だから、場所中もオンとオフのスイッチの切り替えはうまくいきました。その日の取組が終わって、勝とうが負けようが自分がやるべきことをやったのならスイッチをパチッと切り替えることで、気力が復活した。本当に祐未には感謝しかありません。

 初優勝して改めて思うことは、今回の経験を何回でも味わってみたいということです。そのためには、自分のやるべきことをやらないといけない。しっかり自分自身が準備をして、勝負の対策を練る。「勝ってやろう」という欲よりも、やるべきことをやって自信をつけて土俵に上がれば、おのずと結果に表れると思います。

 最後に私事で恐縮ですが、30日には祐未と結婚披露宴を開かせていただきます。今後も夫婦二人三脚で頑張ってまいりますので、応援よろしくお願いします!