10年ぶり国産力士Vへ!琴奨菊を支える究極の献身妻

2016年01月21日 16時00分

気力充実の琴奨菊。囲み写真は祐未夫人

 大相撲初場所11日目(20日、東京・両国国技館)、大関琴奨菊(31=佐渡ヶ嶽)が横綱白鵬(30=宮城野)を押し出して撃破。全勝対決を制して、日本出身力士による10年ぶりの優勝へ向けて大きく前進した。場所後の30日には昨年7月に入籍した祐未夫人との結婚披露宴が都内で開かれる。プライベートでは夫人によるマッサージや手料理などで献身的なサポートを受けるなか、愛妻の心配りは「究極」のレベルにまで達していた――。

 ついに和製大関が優勝争いの単独トップに立った。過去に白鵬とは通算4勝46敗。勝率1割未満と手も足も出なかった難敵を、一昨年春場所以来約2年ぶりに撃破した。取組後の琴奨菊は「やりました。自分の相撲を取れた。熱くなりすぎず、やるべきことをやろうと思った。準備をしているから結果がついてきている」。最強横綱を倒した喜びをかみしめた。

 その琴奨菊は場所後の30日に都内で祐未夫人との結婚披露宴を控えている。その日は32歳の誕生日。「結婚式」「バースデー」「初賜杯」のトリプル祝いになる可能性も出てきた。ここまでの快進撃の裏側には、夫人の存在があることは間違いない。今場所中も夫人が国技館に観戦に訪れることはなく、最終段階に入った結婚式の準備に奔走。一方で、夫が自宅に戻れば、マッサージや手料理など変わらぬサポートを続けている。

 祐未夫人は昨年秋、かねて目標にしていた「フードマイスター」の資格を取得。夫を支えるための知識を強化した。琴奨菊は「豆類が体にいいとか、海藻は消化に時間がかかって胃に負担がかかるとか。栄養の吸収にいいらしくて、いつも大根おろしにレモンがついて出てくる」と明かす。これだけでも相当な力の入れようだが、その心配りは「究極」の域にまで達しているという。

 ある日、夫婦で喫茶店に入った時のことだ。2人で注文したコーヒーが出され、琴奨菊はおもむろにテーブルの片隅にあったプラスチック容器入りのクリームに手を伸ばした。

 祐未夫人「ちょっと待って!」

 琴奨菊「何?」

 祐未夫人「(クリームは)何か月たっても、腐らないんだよ。どんな成分が中に入ってるか、知ってる?」

 琴奨菊「……」

 祐未夫人の言葉で琴奨菊が黙ってクリームを元の位置に戻したことは言うまでもない。別の日には某ファストフード店に入ろうとしたところ、祐未夫人から「○○○(店名)はダメ! ×××ならいいよ」と“ダメ出し”されたこともあるという。もちろん、一般人であればクリームやファストフードを口にして健康に問題が生じることは、まずない。

 だが、そこは体が資本のアスリートだ。夫人の注文が細部にまで及ぶのは、何よりも土俵での活躍を願っての配慮にほかならない。そんな献身的な姿勢に、琴奨菊は「一生懸命に勉強しているし、ホンマに自分より根気がある(笑い)。いろいろ考えてくれて、ありがたい」と頭を下げるのだった。

 ただ、この日の白星で優勝が決定したわけではない。あと4日間、賜杯をつかむまで試練の道のりが続く。琴奨菊は「場所は長いから。しっかり対策をしたい。明日も厳しい戦いになる」。悲願の賜杯を手にして、祐未夫人の思いに応えることができるか。