琴奨菊 全勝ターンの原動力は「賜杯」と「子宝」ダブル取り

2016年01月18日 11時00分

稀勢の里(右)を寄り切った琴奨菊

 大相撲初場所8日目(17日、東京・両国国技館)、大関琴奨菊(31=佐渡ヶ嶽)が大関稀勢の里(29=田子ノ浦)を寄り切って中日給金を決めた。全勝ターンは横綱白鵬(30=宮城野)と2人だけ。日本出身力士による10年ぶりの優勝が次第に現実味を帯びてきた。場所後の30日に都内で結婚披露宴を控えている大関は入籍後に“封印”していた子づくりも本格的に解禁。「賜杯」と「子宝」のダブル取りを目指す。

 琴奨菊が一昨年名古屋場所以来となる初日から8連勝を飾った。稀勢の里とは歴代1位タイとなる58度目の対戦(32勝26敗)。ライバル対決を会心の相撲で制し「もう(力が)残ってない。やり切った。立ち合いもグラつかなかったし、意識したことがすべて当てはまった」と胸を張った。中日を終えて全勝は白鵬と琴奨菊の2人だけ。日本出身力士による10年ぶりVも視界に入ってきた。

 その琴奨菊は場所後の1月30日に都内で祐未夫人との結婚披露宴を控える。昨年2月に婚約を発表し、7月に入籍。晴れて正式に夫婦となった。かねて2人の間では「子供は3人は欲しい」と語り合う一方で、しばらくは子づくりを封印してきたという。日本の伝統を重んじる相撲界でさえ、今どきは「デキ婚」が珍しくない。異例とも言える行動の裏側には、いかなる“家族計画”があったのか。

 琴奨菊は「お相撲さんの奥さんになると、本当に生活の全部が大変になる。特に結婚式が終わるまではね。それまでは、できるだけ体に負担をかけたくない」。関取の夫人になればプライベートで夫を支えるのみならず、部屋の行事では後援者へのあいさつや接待などの仕事も欠かせない。ましてや披露宴ともなれば、全国の後援者を巻き込んだ一大イベントだ。

 琴奨菊の配慮は、生活が一変した夫人に過度の負担をかけないための、思いやりでもあったのだ。一方で、今月末に迫った披露宴を区切りに子づくりも解禁。「まだ子供はいないけど、子供が物心つくまでは現役を続けていたい」と考える和製大関にとっても、大きな転機を迎える。今後、生まれてくる“2世”のためにも、賜杯を手にするという結果を残しておきたいところだろう。

 琴奨菊は残り7日間に向けて「一日一番、悔いなくいきたい。しっかりやるべきことをやらないと勝てない」。このまま白星を重ねていけば「賜杯」と「子宝」の両取りも見えてくる。