大相撲の元関脇貴闘力(48)が「親方廃業」の舞台裏を明かした。

 先週末に東京・大手町で開かれた「ギャンブル依存症対策推進フォーラム」にゲスト参加。現役力士時代から競輪や競馬などのギャンブルに過度に依存。引退後に親方となってからは違法な野球賭博にまで手を出し、2010年7月に日本相撲協会から解雇処分を受けた。貴闘力は「(野球賭博は)悪いと分かっていたけど『身内同士でやっていれば分からんから、ええやろ』と思っていた」と当時を振り返る。

 実は、ある人物からは再三にわたって違法な賭け事から足を洗うように忠告されていたという。貴闘力によれば「貴乃花から『違法なギャンブルとかは絶対にやめてくれ。必ず足をすくわれる』と言われていた。自分も“ウン、ウン”と言っていたのに、隠れてずっとやっていた。その矢先に足をすくわれて…。なんでこんなアホなことをしたのかと思ったけど、後の祭りだった」。

 貴闘力が解雇される約5か月前、貴乃花親方(43=元横綱)が二所ノ関一門を離脱して日本相撲協会の理事選に強行出馬。大方の予想を覆し、初当選を果たした。その貴乃花グループの参謀役を担っていたのが貴闘力だった。貴乃花親方も必要不可欠な人材として認めていたからこそ、異常な「ギャンブル癖」を危惧していたのだろう。

 貴闘力は「(将来的に)貴乃花理事長になったら、その下ぐらいのポジションにいっていたかも。相撲を何とかしたい気持ちもあったし、高い志もあった。目先の100万、200万円を優先した自分がバカだった」。 違法なギャンブルは、人生そのものを狂わせる――。プロ野球・巨人軍の3選手が野球賭博で追放された今、貴闘力の言葉には改めて耳を傾ける必要がありそうだ。