20日に直腸がんによる多臓器不全のため62歳で急死した日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)の通夜が25日、東京・江東区の北の湖部屋でしめやかに営まれた。おかみさんのとみ子夫人が喪主を務め、部屋付きの山響親方(45=元幕内巌雄)や幕内北太樹(33)ら部屋関係者が弔問客への対応にあたった。

 角界からは理事長代行の八角親方(52=元横綱北勝海)、九重親方(60=元横綱千代の富士)、貴乃花親方(43=元横綱)らが弔問に訪れたほか、俳優の杉良太郎(71)ら約200人が参列した。九重親方は「(言葉が)何も出てこない。信じられない。『これが現実なのか』という感じです」とぼうぜん。貴乃花親方は「勘弁してください」と報道陣の質問をさえぎり、足早に引き揚げた。

 戒名はしこ名の「北」と「湖」の字を用いた「弘照院殿北偉徳実法湖大居士」に決まった。26日には密葬で告別式が行われた後、亡きがらを乗せた車が東京・両国国技館に立ち寄って最後のお別れ。12月22日には国技館で協会葬が行われる。