大相撲九州場所3日目(10日、福岡国際センター)、大関琴奨菊(31=佐渡ヶ嶽)が小結嘉風(33=尾車)を寄り切って3連勝。取組後は「先場所負けているし、勢いのある相手。自分の相撲が取れて良かった」と納得の表情を浮かべた。3日目を終えて早くも三役以上で全勝は横綱白鵬(30=宮城野)と2人だけ。地元福岡で初優勝のチャンスも膨らみ始めた。

 この日、現師匠の佐渡ヶ嶽親方(47=元関脇琴ノ若)の長男で先代師匠(元横綱琴桜)の孫にあたる琴鎌谷(17)が前相撲でデビューし、プロ初白星を挙げた。親子3代関取の期待もかかる注目の存在。琴奨菊は「しっかりやれば関取になれる」と太鼓判を押す一方で、ひそかに“別の役割”にも期待している。

「(琴鎌谷が注目されて)若い衆も“負けられない”という気持ちになるだろうし、皆の刺激になるはず。部屋全体で盛り上がっていければ大きなプラスになる」。部屋には総勢33人(角界2位)の力士が在籍しているが、現在関取は琴奨菊と幕内琴勇輝(24)の2人だけ。後に続く関取が待たれるだけに、部屋全体を活性化させる起爆剤としても期待しているのだ。

 もちろん、琴奨菊自身も部屋頭として新弟子に模範を示したいところ。このまま取りこぼしなく連勝を伸ばせるか。