大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)へ向けて30日、福岡・新宮町の二所ノ関部屋で一門の連合稽古が行われた。稀勢の里(29=田子ノ浦)と琴奨菊(31=佐渡ヶ嶽)に加えて、一門外から豪栄道(29=境川)が2日連続で参加。申し合いで3大関が火花を散らし合った。稀勢の里は13勝2敗で他を圧倒し「だんだん(調子が)良くなってきた。集中できて良かった」と手応えを得た様子。

 琴奨菊は「感覚は悪くない。しっかり踏み込めている」、豪栄道も「(自分の部屋で)同じ相手とばかりでは力が出ない。内容は濃い」と、それぞれ収穫を口にした。現在の4大関の中では照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)が横綱候補の最右翼。秋場所でも12勝で優勝同点の成績を残したのに対し、日本人の3大関は後れを取っている。

 一門の重鎮の尾車親方(58=元大関琴風)は「大関3人で稽古するのが一番いい。(番付が)下の者とやると“負けたら恥ずかしい”とか余計なことを考えるから。大関同士なら勝ち負けを気にせず思い切りできるから内容も良くなる」と互いに切磋琢磨するメリットを力説。「豪栄道は、また来るんじゃないかな。(通常3日間の連合稽古を)5日間くらいに増やしてもいい。3人の中から横綱が出てくれれば」と今後の継続も視野に入れた。

 果たして、和製大関の“揃い踏み”は実を結ぶか。