大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の新番付が26日、発表された。注目力士の一人は、横綱昇進を目指す大関照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)だ。秋場所は終盤に右ヒザを痛めながらも強行出場。最終的に12勝を挙げて優勝決定戦に残った。綱取りの条件は「大関の地位で2場所連続優勝、または準ずる成績」。今場所の結果次第では昇進の可能性がある。

 ただ、綱取りのハードルは低くはない。日本相撲協会の北の湖理事長(62=元横綱)は「(秋場所の)12勝では軽い」と発言。横綱審議委員会の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)も「(九州場所で)全勝でも、横綱昇進がスンナリ認められることにはならない」と現時点では否定的な見解だ。こうした“低評価”を覆すためには、今場所で優勝はもちろんのこと、内容も示す必要がある。

 かねて北の湖理事長は綱取りの基準として「13勝以上の優勝」を重視。実際、平成以降に誕生した横綱(9人)はいずれも昇進直前の2場所で平均13勝以上を挙げている。照ノ富士の場合、今場所で最低14勝以上が必要。さらに、秋場所で対戦のなかった横綱白鵬(30=宮城野)に内容のある相撲で勝つことも“ノルマ”となりそうだ。