大関照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)が5日、所用のため東京・両国国技館を訪れた。秋場所13日目に右ヒザの前十字靱帯を損傷。千秋楽まで強行出場したが、8日から始まる秋巡業は休場することが決まっている。現在ははりや電気治療、酸素カプセルなどで患部の回復に努めながら、上半身の筋力トレーニングを行っているという。

 照ノ富士は右ヒザの状態について「ちょっとずつ良くなっている」と話す一方で「何もしなければ痛くないけど、歩くとヒザが入ったり反対側に曲がっているような感じがする。よくあれで相撲が取れたなと思う。稽古? もうちょっと様子を見ないと何とも言えない」と稽古再開には慎重な姿勢を見せた。

 秋場所は12勝ながら優勝決定戦に進み優勝に“準ずる成績”を残した。九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)で全勝などの好成績で優勝すれば綱取りになる可能性もある。ただ、照ノ富士は「そんなの、どうでもいい」と一蹴。再び悪化させれば力士生命にかかわる箇所だけに、ひとまず綱取りの話題を“封印”して患部の回復を最優先する構えだ。

 また、右ヒジのケガで秋場所を全休した横綱日馬富士(31=伊勢ヶ浜)も国技館で取材に応じ「(秋巡業では)少しずつ体を動かしながらやっていきたい。九州場所では、よろしくお願いします」。2場所ぶりの本場所復帰に意欲を見せていた。