大相撲秋場所7日目(19日、東京・両国国技館)、大関候補の関脇栃煌山(28=春日野)が幕内嘉風(33=尾車)に一方的に寄り切られて完敗を喫した。初日から5連勝で勢いに乗りかけたが、痛恨の2連敗。

 優勝争いはおろか、目標の大関取りへ向けても暗雲が漂い始めた。

 大関昇進は三役(関脇、小結)の地位で「3場所合計33勝以上」が目安。7月の名古屋場所では10勝をマーク。横綱白鵬(30=宮城野)を初めて撃破し、一皮むけた印象を与えた。しかし、2日連続の完敗に評価も急落。審判部長の伊勢ヶ浜親方(55=元横綱旭富士)は「上体が浮きすぎる。もう少し前かがみか腰を下ろさないと。攻めているときは上背があるし懐が深いからいいんだけど。(欠点が)直ってないよね」と手厳しかった。

 日本相撲協会の北の湖理事長(62=元横綱)は「(今場所)10勝ではダメ。11、12勝」とノルマを挙げる。来場所に大関挑戦の望みをつなぐためには、1横綱3大関を含む8日間で2敗しかできない計算だ。取組後の栃煌山は「正念場? そうですね。しっかり集中し直したい」。果たして踏みとどまれるか。