横綱日馬富士(31=伊勢ヶ浜)が大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)を休場することになった。日馬富士は7月の名古屋場所初日に右ヒジを負傷し、2日目から途中休場。8月下旬から本格的な稽古を再開したが、師匠の伊勢ヶ浜親方(55=元横綱旭富士)は10日、「休場です。ヒジが伸びない状態。稽古をやって、うっ血して腫れていた」と明かした。

 この日も部屋の関取衆と稽古するなど、相撲が全く取れない状態ではない。伊勢ヶ浜親方は「出るからには優勝争いをしないと。8、9勝でいいのなら、今までの横綱は引退していない。横綱なら最低でも11、12番」。強行出場してふがいない成績に終われば「進退問題」にも火が付きかねない。横綱としての役割を果たすためにも、回復を優先させた格好だ。

 今回の休場で事実上、11場所連続のV逸が確定。最後に優勝してから丸2年近くがたとうとしている。日馬富士は「不安が大きい。大変申し訳ないが、今回は出場を見合わせます」とコメント。故障続きの横綱が、またしても試練を迎えた。