大相撲の熊ヶ谷親方(45=元十両金親)が傷害容疑で逮捕された一件で、所属先の宮城野部屋が「今後の動向」に警戒感を強めている。

 警視庁は熊ヶ谷親方が自ら雇った運転手に暴行したとして2日に逮捕。同親方は4日に送検された。すでに師匠の宮城野親方(58=元幕内竹葉山)が日本相撲協会の北の湖理事長(62=元横綱)に状況を報告済み。協会サイドも熊ヶ谷親方を“追放処分”とする方針を固めており、ひとまず事態は沈静化しつつある。

 もちろん、すべてが一件落着したわけではない。検察が起訴する「Xデー」をはじめ、相撲協会による正式な処分もまだこれからだ。しかも、その間に週刊誌報道などで熊ヶ谷親方の新たな“醜聞”が飛び出さないとも限らない。なお予断を許さない状況とあって、宮城野部屋の関係者は「これからも何かあるたびに、うちの部屋の名前が出る」と神経をとがらせている。

 今回の事件は熊ヶ谷親方が個人で起こしたものとはいえ、結果的に宮城野部屋にも「負のイメージ」を与えた。おりしも大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)を目前に控え、10月には横綱白鵬(30)の優勝記録更新の祝賀会も予定されている。今後再び熊ヶ谷親方の事件がクローズアップされることになれば、部屋にとって迷惑以外の何物でもない。

 部屋の看板を背負う白鵬は9日、東京・墨田区の時津風部屋で出稽古を行った。胸を貸した幕内逸ノ城(22=湊)について「1年前に比べて? 成長は今のところ見られない」と綱の貫禄を漂わせていたが…。これ以上のとばっちりを受けないことを願うばかりだ。