日本相撲協会は4日、東京・両国国技館で危機管理委員会を開き、宮城野部屋所属の熊ヶ谷親方(45=元十両金親)が傷害容疑で逮捕された問題について対応を協議。宗像紀夫委員長(元東京地検特捜部長)は今回の一件について「協会の信用を失墜させる行為があったことはハッキリしている」と切り捨てた。

 また、検察による処分の中身と相撲協会としての処分は「リンクしない」と明言。仮に検察サイドが軽い処分にとどめたとしても、解雇などの厳罰は避けられない状況となった。まだ事件の全貌解明や処分が決まっていない段階から協会が厳しい姿勢を打ち出した背景には、熊ヶ谷親方に“前科”があるためだ。

 かつて熊ヶ谷親方は八百長の存在を知人女性に告白したなどと週刊誌に報じられ、事態を重く見た協会は2010年に降格処分を下した。当時の理事からは退職を求められたが、親方が「再び不祥事を起こすようなことがあれば解雇を受け入れる」との始末書を提出する代わりに“クビ”を免れた経緯がある。

 宗像委員長は「始末書を出して協会に残った。すべてを踏まえて処分を決める」と話し、今も始末書は「有効」とした。いわば“執行猶予”の期間中に再び罪を犯したようなもの。角界からの“追放”が決定的だ。