大相撲の元小結・松鳳山(38=放駒)が28日、東京・両国国技館で引退会見を行った。

 2006年春場所の初土俵から16年間の現役生活にピリオドを打ち「スッキリした気持ち」と話すなど、終始リラックスした表情だった。5月の夏場所は十両12枚目で3勝12敗。14日目の十両千代の国(九重)戦で突き落とされ「自分の中でやりきったという気持ちになった。気持ちを入れ替えて千秋楽にも臨んだけどダメだった。そこからもう1回やろうと思えず、終わったなという気持ちだった」と引退を決断した理由を明かした。

 福岡出身の松鳳山は駒大から松ヶ根部屋(現放駒部屋)に入門し、11年九州場所で新入幕。ご当地場所での思い出は「勝っても負けても大声援をいただいて、すごく力になった。幕内で10番勝ったのも九州場所が一番多い。みなさんの生鮮が力になっていい相撲が取れた」。また、同い年で同郷の元大関琴奨菊(現秀ノ山親方)については「九州場所では特に負けたくないと思ったけど、基本的にはあまりやりたくなかった。強かったので(笑い)」と冗談交じりに振り返った。

 今後は相撲協会に残らず、第2の人生を歩むことに決めた。新たな夢は力士や他競技のアスリートの食事をサポートすること。松鳳山は「資格が必要であれば取ろうと思うし、会社にするとなれば起業についても相談しながら考えてやっていきたい」と語った。