大相撲の出稽古が約2年3か月ぶりに解禁された。コロナ禍で2020年春場所前を最後に事実上の禁止となっていたが、今回は感染対策を徹底し、期間限定で実施。再開初日の6日は幕内高安(32=田子ノ浦)が、追手風部屋に出向いて汗を流した。

「懐かしいですね」。高安は充実の表情で稽古を振り返った。この日は小結大栄翔(28)、幕内翔猿(30)ら関取衆と18番取って11勝7敗。「大関以来の追手風部屋だった。やっぱり関取衆との稽古はいいなと。ウキウキしたような気持ちでできました」と率直な感想を口にした。

 前日5日には二所ノ関部屋の部屋開きに出席した。「スケールが大きくて圧倒されました」と話す高安。「二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に胸を出していただけるのであれば(出稽古に)行きたいと思います」と兄弟子との稽古を熱望した。

 先場所は6勝9敗に終わり「自分の調整ミスですね。負けたということは修行が足りない、稽古が足りないということ」と反省。名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)に向けては「悔いを残したくない。千秋楽まで優勝争いに絡む。ただそれだけです」と気を引き締める。

 出稽古は22日まで。先場所前まで行われていた合同稽古よりも調整ペースが速くなるが、元大関は「メリハリをつけたいと思います。休むときは休んで、やるときはしっかりやって、いいコンディションで初日を迎えたい」と力強く語った。