優勝争い主役はやっぱり照ノ富士vs白鵬

2015年07月13日 16時00分

照ノ富士は初日白星にもすさまじい形相

 照か、白か――。大相撲名古屋場所初日(12日、愛知県体育館)、新大関照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)は幕内碧山(29=春日野)を上手投げで下して初日白星。公言している「横綱」の目標に向けて好スタートを切った。一方、賜杯奪回を狙う横綱白鵬(30=宮城野)も新小結宝富士(28=伊勢ヶ浜)を寄り切って白星発進。実力とモチベーションの両面で、今場所も優勝争いは「最強大関VS最強横綱」の構図となりそうだ。

 

 日本相撲協会の北の湖理事長(62=元横綱)は今場所の展望について「照ノ富士は調子に乗れば怖い。大関になって目標とする成績は上(優勝争い)に置いているだろう。白鵬はコンスタントに勝つ。先場所(4敗)のようにはならないと思う。(普通に相撲を取れれば)負けないという強さがある」と予測する。

 

 日馬富士(31=伊勢ヶ浜)と鶴竜(29=井筒)の両横綱はともに故障明けだけに、先場所同様に優勝争いは照ノ富士と白鵬が中心となる公算が大きい。モチベーションの面でも両力士の賜杯にかける思いは強いからだ。

 

 照ノ富士は大関として初めて臨む場所に「(気持ちは)あんまり変わらない」。この日の大関初白星にも「緊張はしてない。初日が出た? 普通」と言い放った。

 

 その表情は、まるで格下に勝つのは当然と言わんばかり。実際、大関昇進直後から「横綱を目指す」と公言し、この名古屋場所の番付発表会見でも「できれば早く上がりたい」と改めて早期の綱取りを口にしている。大関は、あくまで通過点にすぎない。大関の地位や白星に一喜一憂しない姿は、逆に志の高さをうかがわせる。師匠の伊勢ヶ浜親方(55=元旭富士)も「大関は大関。横綱じゃない」と愛弟子にハッパをかけた。

 

 その一方で、賜杯奪回を狙う白鵬も無難に白星発進。取組後は「年1回の暑い名古屋場所ですから。いい緊張感を持って臨みました」と綱の貫禄を漂わせた。先の夏場所は照ノ富士に賜杯をさらわれて7場所ぶりにV逸。ただ、今回は一部で心配されている「大鵬のV32超え」によるモチベーションの低下は心配なさそうだ。

 

 今年2月、白鵬は日本の国民栄誉賞にあたる「労働英雄賞」をモンゴルで受賞している。今場所終了直後には、受賞を祝うパーティーを母国で開催するために一時帰国する予定。日本からも後援者ら約50人を引き連れていくという。祝賀会に最高の形で花を添えるためには、V35を達成したいことは言うまでもない。

 

 勢いに乗って一気に覇権奪取を狙う最強大関と、それに“待った”をかけようとする最強横綱。角界の今後を占う意味でも、興味深い場所となりそうだ。

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