この勢いを緩めるつもりはない。大相撲夏場所9日目(16日、東京・両国国技館)、幕内隆の勝(27=常盤山)は大関御嶽海(29=出羽海)を破って2敗(7勝)を守った。

 のど輪で相手の上体を起こし、一気に寄り切った。前日に横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)から初金星を挙げたような圧巻の内容に「自信を持って前に出ようと思いました。立ち合いは考えましたけど、あとは体が自然に動いてくれたと思います」と納得の表情だった。

 1横綱2大関撃破と快進撃が止まらない。好調の要因は「出足ですかね」と分析。4勝11敗に終わった先場所の反省が生きているようで「(映像を見返して)立ち合いで1歩も動いていないときもあった。これでは勝てないなと。やっているときは分からなかったが、こんなに棒立ちだったのかと」と、課題に取り組んできた。

 自身を含めて4人が先頭に立つが、隆の勝は「意識したら硬くなる。一日一番自分の相撲に集中していければ」と話すのみ。あくまで平常心を貫いてゴールを目指すつもりだ。