今場所も快進撃の予感だ。大相撲名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)へ向けて、新大関照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)が愛知・長久手市の田子ノ浦部屋で出稽古を行った。関取衆との申し合いでは26番取って20勝6敗。大関稀勢の里(29=田子ノ浦)とは4勝1敗と馬力の違いを見せつけた。先輩大関に完勝も「普通。いつもの稽古じゃないですか」と涼しい表情を浮かべた。

 大関昇進後の6月には右足の蜂窩織炎(ほうかしきえん)でダウンしたが、その後の猛稽古で調子は上向き。少々のアクシデントは若さと勢いで乗り越えてしまうのが、今の照ノ富士だ。「ずっと稽古で体が動かないと思ったけど1、2番取って動いてるなと思った」と場所本番へ向けて好感触を口にした。

 一方の稀勢の里は照ノ富士に歯が立たなかったうえに、右ヒジの手術を受けたばかりの横綱日馬富士(31=伊勢ヶ浜)にも5勝6敗と苦戦…。まだ番付上は和製大関のほうが辛うじて上にいるものの、両大関の立場は一気に逆転してしまいそうな雲行きだ。