“照キラー”の評価は? 大相撲名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)で左肩のケガから復帰を目指す横綱鶴竜(29=井筒)が1日、愛知・東浦町の井筒部屋で調整。「やっと(稽古を)普通にできるようになった。日に日に良くなってきてるのが分かる」と回復の手応えを口にした。

 2場所休場している間に、土俵の勢力図は一変。照ノ富士(23)が一気に新大関に昇進した。鶴竜は「(休場中の取組は)テレビで見てました」と前置きしたうえで、台頭してきた照ノ富士に「“力をつけているな”と素直に思います。やっぱり体が大きいですから。その体を生かして相撲を取っている。力で(強引に)持っていこうとするところはあるけど、これからやっていけば、まだまだ強くなる」と警戒感をあらわにした。

 これまで鶴竜は照ノ富士に3戦全勝。実は今の三役以上の力士の中で、新大関に負けたことがない唯一の力士だ(同部屋を除く)。最強横綱の白鵬(30=宮城野)も3月の春場所で完敗を喫した。無敗の鶴竜でさえ、その急成長ぶりには目を見張るものがあるようだ。一方で鶴竜は「やっぱり部屋の環境もいいし…。かなり稽古してるんじゃないですか」とポツリ。

 照ノ富士が所属する伊勢ヶ浜部屋は横綱日馬富士(31)を筆頭に関取衆がひしめくのに比べ、鶴竜の井筒部屋は若い衆が3人だけ。稽古不足を出稽古で補う横綱は、ちょっぴりうらやましそうだった。前日には5月に誕生した第1子の長女に「アニルラン」と名づけたことを公表。愛娘のためにも、綱の威厳を見せたいところだ。