自ら優勝の可能性を引き寄せた。大相撲春場所14日目(26日、大阪府立体育会館)、関脇若隆景(27=荒汐)が大関貴景勝(25=常盤山)を寄り切って2敗を守った。

 立ち合いの圧力ではじき返されたが、相手のいなしに合わせて前進。最後は左右を差して相手に土俵を割らせた。取組後は「はたかれた時に我慢できたのでよかった。しっかり自分の相撲を下からというイメージだった」と振り返った。優勝争いでトップの高安(田子ノ浦)が敗れ、2敗で並んだ。

 再びトップタイとなり賜杯の行方は千秋楽にゆだねられる中「明日思い切って相撲を取るだけ」と短い言葉に決意を込めた。千秋楽の相手は、この日に高安を下した大関正代(時津風)となったが「一番に集中する」と気負いはない。

 身長182センチ、体重127キロと決して体格に恵まれているわけではない若隆景が、参考にするのは元横綱三代目若乃花だ。「下からの攻めなどそういうのを見ている」と映像で研究。180センチ、133キロの体で横綱まで昇進した若乃花からレベルアップのヒントを得ている。こんな努力も結果へとつながっているようだ。