悲願達成が大きく近づいた。大相撲春場所13日目(25日、大阪府立体育会館)、幕内高安(32=田子ノ浦)が大関貴景勝(25=常盤山)を破って12勝目(1敗)。激しい突っ張り合いの末に左を差して組み止めると、最後は上手投げで土俵に転がした。取組後は「我慢できました。再三突き放されたけど、何とか残って気持ちで取りました」と激闘を振り返った。

 1敗で並んでいた新関脇の若隆景(27=荒汐)が2敗に後退し、優勝争いで再び単独トップに浮上。14日目(26日)に高安が大関正代(30=時津風)を破り、若隆景が敗れれば初優勝が決まる。悲願の賜杯に近づいた元大関は「集中してベストを尽くすだけ。今まで優勝を目指して毎場所やってきたので。その積み重ね。残り2日間、精いっぱいやりたい」と気持ちを引き締めた。