大相撲の元幕内誉富士の楯山親方(36)が19日に東京・両国国技館で断髪式を行った。元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏や横綱照ノ富士ら約300人がはさみを入れた。

 2019年9月に引退。新型コロナウイルス禍などの影響もあり、現役に別れを告げて約2年以上経過しての大いちょうとの別れに「自分らしい断髪式だった。思った以上にこみ上げるものがある。14年、ずっと髪の毛を伸ばして、その思いが全部髪の毛に入っている。それがパッと落ちて、親方としてやっていくんだなという気持ち」と感慨深げ。

 この日を迎えるにあたって新型コロナウイルスに感染し、外出許可となったのは前日18日だった。「ちょっと焦った。一時はどうなることかと」というが何とか晴れの舞台に間に合った。

 新たな髪型は「楽しみ。いろんな髪型で遊ぶっていうのはある。これから徐々に理想の髪型にしていこうかな」と胸をときめかすが、最も心血を注ぐのは後進の育成だ。「強くなりたいと思ってくれる力士を育てたい。難しいけど、ただ教えるだけではなく相手のやる気を起こさせる、そういうことができれば」と決意を語った。

 師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は「若い力士たちに相撲に対して真摯に、真面目に取り組んでいくことの大切さを伝え、力を尽くしてくれると思う」と大きな期待を寄せた。