大相撲夏場所(10日初日、東京・両国国技館)で2場所ぶりの復帰を目指す横綱鶴竜(29=井筒)が30日、東京・墨田区の時津風部屋で出稽古を行った。3月の春場所は左肩の腱板損傷で全休。相撲を取るのは2か月ぶりとあって、幕下正代(23)と1番、十両土佐豊(30)と8番取っただけで切り上げた。

 鶴竜は「久しぶりの稽古だったので(患部を)かばってしまったりしていた。痛みは多少あるけど、徐々に調子を上げていきたい」と話した。一方で、医師からは「しっかり治すように」とクギを刺されており、当面は患部の回復が最優先。厳しい稽古もできない。しかも出場可否の最終判断は場所前の検査結果次第になる。

 仮に出場に「ゴーサイン」が出ても“ぶっつけ本番”は避けられそうにない。日本相撲協会の北の湖理事長(61=元横綱)は29日の横審稽古総見で「3月に休んでいるから(余計に)勝たなきゃいけないと精神的に追い込まれる」と話したが、出場でも休場でも“イバラの道”となる。