価値ある大金星だ。大相撲初場所14日目(22日、東京・両国国技館)、平幕の阿炎(27=錣山)が横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)を撃破して11勝目(3敗)。通算3個目の金星を獲得した。

 横綱相手にもひるまなかった。立ち合いのもろ手突きで前に出ると、そのまま攻め続けて一方的に押し出した。照ノ富士をトップから引きずり降ろし、自らも逆転Vの可能性を残す価値ある白星。取組後の阿炎は千秋楽へ向けて「優勝争い? 全く考えていない。明日の一番に集中したい。必死に相撲を取っているので、終わった時に考える。明日もあるので」と無欲で臨むことを強調した。

 これで優勝争いは2敗で単独トップの関脇御嶽海(29=出羽海)を3敗の照ノ富士と阿炎、幕内琴ノ若(24=佐渡ヶ嶽)が追う展開となった。千秋楽は結びで御嶽海が照ノ富士に勝てば優勝が決定。照ノ富士が勝てば、御嶽海、阿炎―琴ノ若の勝者を加えた3敗同士による優勝決定戦(巴戦)が行われる。