まだまだ変われる――。大相撲初場所(9日初日、東京・両国国技館)を控えた7日、幕内阿炎(27=錣山)が電話取材に応じた。

 昨年は出場停止の処分が解け、3月の春場所で幕下からの再出発となるも、安定した成績を残して九州場所で再入幕。また、先場所は優勝争いに加わり、12勝(3敗)を挙げて敢闘賞を獲得した。

 しかし、14日目の横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)、千秋楽の幕内隆の勝(常盤山)に連敗したことから、場所後には師匠の錣山親方(58=元関脇寺尾)から「最後は気が抜けていただろう」と指摘を受けたという。阿炎は「自分自身は集中していたつもりだったが、師匠にはそう見えなかったようで。ということは、いろんな人にもそう見えていないということ。そこは直していかないといけないと思い、重点的にやってきた」と振り返る。

 稽古場では幕下力士らと連日15番ほど相撲を取って汗を流してきた。「元々出稽古にはいかないタイプ」と話すように、稽古相手にこだわりはない。自身の課題と向き合い「土俵際の押し、攻めては早いほうだと思うけど、まだ足りないと思ったので攻める気持ちを出すような稽古をやってきた」

 処分受けてから夫人、長女と離れて部屋で暮らしている阿炎は自らへのけじめとして〝幕内での勝ち越し〟をクリアして、再び一緒に生活することを公言してきた。先場所の成績で一件落着かと思いきや…。「まだ家が見つかってなくて」と、実現していないことを明かした。

 プライベートを充実させるためにも〝本業〟に集中している阿炎。今年の目標は地位や数字ではなく「自分の中のものを変えていく」と、内面のさらなる成長を誓った。