勝てば勝つほど…。大相撲九州場所で2場所連続6度目の優勝を飾った横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)が、順調に優勝回数を伸ばしている〝要因〟を明かした。

 一人横綱の重責を果たした照ノ富士は、優勝から一夜明けた29日にオンライン会見を行い「普段からずっとやってきたことは右四つで前みつを取ってどっしり構えて前に出ていく相撲。相手がいることだから違う形になることもあるが、やってきたことがちょっとずつできるようになってきた」と手応えを口にした。

 新横綱から2場所連続Vは1962年初場所の「昭和の大横綱」大鵬以来、59年ぶりの快挙。名横綱らと肩を並べたとの声も上がる中「一生懸命、積み重ねてやってきたことでそう思われたのかな。ありがたい」と静かに喜びを表した。

 そんな活躍の裏には消えることのない優勝への渇望がある。「最近ずっと優勝争いをして勝ち癖もついているし、やり遂げた後の気持ちよさを味わいたい。だから普段から自分に厳しくできている」。どうやら〝優勝の味〟は一度味わうと病みつきになるようだ。

 もちろん横綱として「気持ち的に勝たなきゃいけないのはある」と責任感があるのは言うまでもない。この日に30歳の誕生日を迎えた横綱は、新たな1年のスタートにあたって「目標を高く持って2ケタ優勝を目指して頑張りたい」と来年中の達成を誓った。