〝挑戦者決定戦〟を制した。大相撲九州場所13日目(26日、福岡国際センター)、幕内阿炎(27=錣山)が大関貴景勝(25=常盤山)を押し出しで下し、1敗対決で生き残った。

 1度目の立ち合いで合わず仕切り直しとなった一番。場内の緊張感が一気に高まったが、集中を切らさず突きで攻め抜いた。

 大関をも撃破し、取組後は「大関の胸を借りるつもりでいった。いつも通り相手を研究して備えた。良かったと思う」と手応えを語った。

 優勝戦線に踏みとどまり、14日目は結びの一番で横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)と激突する。「今から横綱のビデオを見てしっかり自分の相撲を取れるように準備したい」と気を引き締める一方で、過度な気負いはない。

 出場停止処分を受けて幕下からはい上がった男は「相撲と向き合うと決めた。復帰させてもらうからには感謝の気持ちを忘れず、相撲と向き合わないと成長できない」と覚悟を口にした。優勝が懸かる一人横綱への挑戦を前にしても、心境は落ち着いている。