中盤戦も〝台風の目〟となりそうだ。大相撲九州場所6日目(19日、福岡国際センター)、幕内阿炎(27=錣山)が幕内佐田の海(34=境川)をとっくり投げで下し、初日から6連勝。平幕で唯一の全勝を守った。

 ここまで1敗を守る相手の勢いに一瞬、不利な体勢を強いられる場面もあったが、めずらしい決まり手で白星をもぎ取った。

 高校1年の時に一度だけ繰り出したことがあったという決まり手での勝利に「プロに入ってからは初めて。引くつもりはなかったが、相手の反応が早かったので。体が動いて、たまたまつながった。調子いいから自然とそうなったんでしょう」と振り返った。

 日本相撲協会が定める新型コロナウイルスのガイドライン違反(不要不急の外出禁止)により出場停止3場所をへて、7場所ぶりの幕内復帰となる今場所。序盤の勢いを中盤戦でも持続させ「今日も体がしっかり動いていた。体をしっかり温めて、ほぐしていい動きの相撲を取っていきたい」ときっぱり。

 このまま白星を伸ばしていけば、優勝争いを繰り広げる上位陣にとっても不気味な存在となりそうだ。