強さが際立った序盤戦となった。大相撲九州場所5日目(18日、福岡国際センター)、横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が、幕内隆の勝(27=常盤山)を上手投げで下し、初日から5連勝とした。

 相手の善戦にヒヤリとする場面を見せたが、最後は落ち着いて仕留め「落ち着いていた。よかったと思う」と一言。今場所は初日から、我慢を強いられる内容が散見されるが、動じることなくその我慢を貫き通し最後はきっちり白星を挙げて序盤戦は全勝で終えた。照ノ富士は我慢ができる秘訣を問われても「秘訣とかないけど、普段やっている稽古しか、場所では出ないわけだから」と口にし風格を漂わせた。

 大関貴景勝(常盤山)、幕内阿炎(錣山)と並んで終えた序盤戦。「慎重に落ち着いて取っている。冷静に相手を見ることもできている」とこの日の弟子の相撲を評価した師匠の伊勢ヶ浜審判部長(元横綱旭富士)は「綱は自分のペースを守っていかないといけない」とハッパをかけた。勝負の中盤戦もこのまま走り続ける。