大相撲春場所5日目(12日、大阪府立体育会館)、幕内遠藤(24=追手風)が幕内松鳳山(31=二所ノ関)との一番で左ヒザを負傷。6日目(13日)から休場することになった。

 ショッキングなアクシデントだった。立ち合いから激しい突っ張りの応酬。土俵際まで押し込まれたが、逆転の突き落としを決めた。しかし、倒れ込んだ際に負傷。車イスに乗り病院へ向かった。

 師匠の追手風親方(元幕内大翔山)によると、堺市内の病院で検査を受けた結果、半月板損傷などで全治2か月と診断された。数日間入院する見込みで、手術を受けるかどうかは未定。同親方は「前向きに早く治して、出られるようになったらまた一生懸命頑張ればいい」と話した。これで6日目以降は休場。遠藤の休場は2013年秋場所で左足首を負傷して以来2度目となる。

 今場所は注目力士に負傷者が続出。昨年春場所を制した横綱鶴竜(29=井筒)が左肩のけがで初日から休場し、新関脇隠岐の海(29=八角)も左ふくらはぎを痛めて4日目から休場している。

 角界屈指の人気を誇る遠藤の休場は、場所の盛り上がりという意味でも大きな“損失”となる。ここまで春場所の客入りは好調。初日から5日連続で満員御礼が続き、15日間の大入りも見込まれている。遠藤は初日こそ黒星だったものの、2日目から4連勝。待望の新三役へ向けて、期待が膨らみかけていた矢先だった。

 春場所担当部長の鏡山親方(57=元関脇多賀竜)は「(客入りに)もちろん、手応えは感じている」と話す一方で、遠藤の負傷については「けがばかりはしようがない。一生懸命にやった結果だから…」と言って、表情を曇らせていた。