大相撲九州場所(14日初日、福岡国際センター)の新番付が1日に発表され、横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が一人横綱としての重責を果たす決意を見せた。

 9月の秋場所後に元横綱白鵬の間垣親方が現役を引退し、横綱在位2場所目となる九州場所は東に就く。新横綱として先場所を制し、2年ぶりの九州場所でも優勝候補の最右翼となる中「しっかり準備をして整えたい。できることを全部やってお客さんを喜ばせたい。(力士一同)みんなにちょっとでも元気を与えられるように」と意気込みを口にした。

 圧倒的な強さを見せる一方で、慢性的に抱えるヒザの状態など懸念材料も付きまとう。それでも体調は「変わることなくやっている。(稽古も)いつも通りやっています」と淡々と語り、決して弱音を見せることはなかった。

 それ以上に、名実ともに番付の最高位となった自覚が芽生えている。「がむしゃらに強くなりたい一心で稽古や努力をしていたが、横綱になってからは地位の重さなどを考えるようになった」。白鵬の引退で、さらに責任が重くなったことを痛感している。「(白鵬に)最後に勝って恩返しをという思いはあったができなかった。角界に明るい道をつくってくれた。そういう意味でやらなければならないことは多いので責任を持ってやらなければ」ときっぱり。九州場所でも1日一番の精神で、一人横綱として角界をけん引することを誓った。