大相撲春場所(8日初日、大阪府立体育会館)に臨む大関琴奨菊(31=佐渡ヶ嶽)が3日、大阪・松原市の部屋宿舎で稽古を行い、若い衆に胸を出すなどして汗を流した。2月20日に婚約を発表した3歳年下の石田祐未さん(28)が大阪入りし本場所中、全面的にサポートを受けることが決定。心強い“援軍”を得た和製大関が、悲願の初優勝に向けて突き進む。

 和製大関に心強い“援軍”が加わる。2月に婚約を発表した祐未さんが場所前に大阪入りすることが決定。初日から千秋楽までの15日間を通じて、献身的なサポートを受けることになった。すでに佐渡ヶ嶽部屋の宿舎近くに宿泊場所も確保している。

 約1年半の交際期間中は、祐未さんが昨年末まで東京で会社員として働いていた事情もあり、地方場所では離れ離れだった。過去には地方場所まで応援に駆けつけてくれたこともあったが、日帰りで現地の滞在時間はわずか。東京場所以外は“孤独な闘い”だった。

 それだけに婚約者が寄り添いバックアップしてくれるメリットは計り知れない。琴奨菊は先の婚約発表会見で、同居を始めた初場所中のエピソードを披露。祐未さんが湿布を貼ってくれたり、マッサージを施してくれる献身的な横顔を明かした。もちろん栄養面に配慮した手料理を口にすることもできる。何よりも普段から重視している「メンタル」の面でのプラス効果が大きい。琴奨菊が一昨年に大胸筋断裂の大ケガに苦しんでいた時期も、祐未さんの明るい笑顔が支えになった。本人も「自分は心が穏やかで迷いがないときに(相撲で)いい結果が出る」と話しており、最愛のパートナーの存在は心強い。勝てば懸賞金をプレゼントし、負ければ代わりにスイーツを買って帰るという初場所の“夫婦の約束”も継続する。

 琴奨菊は「(婚約者のサポートは)自分のリズムでやれるので、すごく大きい」と心待ちにしている様子。婚約発表後に初めて臨む春場所は、文字通り「二人三脚」で悲願の賜杯を目指すことになる。