白鵬 罪悪感どころかいまだに被害者意識

2015年02月24日 16時00分

審判批判への謝罪がないままの白鵬

 いじめないでくれ! 大相撲春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)の新番付が発表された23日、横綱白鵬(29=宮城野)が大阪・堺市の部屋宿舎で会見した。初場所後の会見で審判を批判した一件について公の場で初めて言及したが「自分の考えだけ伝えましたけどね」と話し、自らの発言を撤回しない姿勢を貫いた。白鵬本人は罪悪感を感じるどころか“被害者意識”さえ抱いている様子。謝罪や反省の言葉が出ないのも当然か――。

 

 新番付発表の晴れがましさは全くなかった。白鵬は会見でピリピリとした雰囲気を漂わせ、NHKアナウンサーによる代表インタビューにもどこか口が重い。その後の報道陣との質疑応答の冒頭で審判批判の真意を問われると「それぞれが自分たちの考え、思いもあるだろうからね。自分の考えだけ伝えましたけどね」と答えた。その直後に部屋関係者の意向で会見は打ち切りになった。

 

 今回の騒動の発端は、初場所千秋楽翌日(1月26日)の会見だった。場所中に取り直しとなった取組に自ら触れ「子供が見ても分かる相撲」「肌の色は関係ない」などと審判批判を展開。師匠の宮城野親方(57=元幕内竹葉山)が審判部から厳重注意を受けるなど騒ぎが広がった。その後に師匠は「本人も反省している」「そういう言い方をするつもりじゃなかった」と釈明していた。

 

 この日の白鵬の言葉を額面通りに受け取れば「人それぞれに考え方がある。自分の考えを伝えた」ということになる。今回の問題の本質は「考え方の違い」ではなく、会見の席上で角界の頂点に立つ横綱が審判批判をぶちまけてしまったことにある。それを本人が全く理解していないことが、改めて浮き彫りとなった格好だ。しかも、白鵬は罪悪感を感じるどころか“被害者意識”さえ持っているフシがある。

 

 騒動が巻き起こった直後のことだ。近い関係者が白鵬に審判批判をたしなめる言葉を投げかけたところ、横綱本人は「いじめないでくれ!」と語気を強めたという。自分は思っていることを話しただけなのに、周囲から不当な批判を受けている…。そのように白鵬自身が考えているとしたら、本人の口から謝罪や反省の言葉が出てこないのも当然か。

 

 いずれにせよ、今でも白鵬が審判に不信感を抱いているのであれば、もはや「酒に酔った勢い」や「言葉のアヤ」などでは片付けられない根深さがある。再び“暴走”してしまう可能性もありそうだ。