日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で理事会を開き、横綱白鵬(36=宮城野)の現役引退と年寄「間垣」の襲名を承認した。

 白鵬は全休した秋場所(東京・両国国技館)を最後に現役を引退する意思を固め、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)を通じて相撲協会に引退を届け出ていた。ただし、前日に29日の年寄資格審査委員会では、5月に間垣の名跡を継承した白鵬に対し、同委員会が忠告した事項が守られていなかったことから反対意見こそなかったものの「襲名を認めるとしても、条件を付けるべき」「10年間は部屋付きの親方として、親方業を習熟すべき」といった意見が続出。全委員の考えを理事会に報告した。

 そして、この日の理事会では「新人親方として理事長や先輩親方の指揮命令、指導をよく聞き、本場所等の与えられた業務を誠実に行うこと」「大相撲の伝統文化や相撲道の精神、協会の規則、ルール、マナー、相撲界のならわし、しきたりを守り、そこから逸脱した言動を行わないこと」といった事項を誓約することを条件に襲名を承認。その後、同委員会の今井環委員長、理事の尾車親方(元大関琴風)が白鵬に審議事項を説明し、理解承諾した上で誓約した。

 こうした誓約書にサインを求めるのは極めて異例のことだ。この日、電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、白鵬の名古屋場所での振るまいや東京五輪を現地観戦したことなどを挙げ「白鵬に対しての期待というものがあるから、これから協会を守っていってもらおうということも含め、しっかりしてもらいたいということ」と述べた。

 白鵬の引退会見は明日1日にも開かれる予定。本人の口からどんな言葉が語られるのか。