大相撲秋場所10日目(21日、東京・両国国技館)、新横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が幕内宇良(29=木瀬)を退けて9勝目(1敗)を挙げた。宇良の肩すかしや足取りにも、落ち着いて対応。最後は肩越しに左上手を取ると、豪快に投げて相手を裏返しにした。

 約1分半に及んだ熱戦を制した取組後は「いろいろやってくるだろうと思っていたので落ち着いて(相手を)正面に置いて見ていこうと思った」と淡々とした口ぶりで振り返った。

 幕内で唯一の1敗を守って新横綱Vへ向けて一歩前進。NHKのラジオ中継で解説を務めた北の富士勝昭氏(元横綱)は「(序二段転落など)すごい経験をしてきているし、精神的にも本当に強くなっている。(残り5日間で)手ごわい相手は数えるほどしかいない」と話していた。