叔父さんもびっくり!? 大相撲秋場所9日目(20日、東京・両国国技館)、元横綱朝青龍の甥の幕内豊昇龍(22=立浪)が幕内若隆景(26=荒汐)に一本背負いを決めて3勝目(4敗2休)。幕内では2017年初場所で豪風(現押尾川親方)が決めて以来、約4年ぶりの大技で館内を沸かせた。取組後は「勝って良かった。稽古で一本背負い? ないです。体の反応が良かった」と振り返った。

 今場所は急性へんとう炎で5日目から3日間休場したが、中日に再出場してから2連勝。「自分の動きがだんだん戻ってきた。一日一番、大事にしていきたい」と復調へ向けて手応えをつかんだ様子だった。豊昇龍にとって元横綱は誰よりも怖い存在。これまでにも少しでもふがいない相撲を取れば、主にツイッターを通じて容赦ない叱責を受けてきた。

 その元朝青龍は母国のモンゴルから来日。10日に佐賀県庁を訪問したほか、14日には卓球の元五輪メダリストの福原愛さんとの会食写真を投稿して、大きな話題となった。今回の来日はビジネスが主な目的で豊昇龍とは会っていないようだが、甥の相撲内容は常にチェックしている模様。この日の取組直後には「一本勝負終わり」(原文ママ)と日本語でメッセージを投稿した。

 豊昇龍は10日目以降へ向けて「集中して最後まで頑張りたい」と気持ちを引き締めた。今場所の番付は自己最高位の東前頭筆頭。勝ち越せば、念願の新三役の地位も見えてくる。怖くて偉大な叔父を怒らせないためにも、このまま最後まで白星を積み重ねていきたいところだ。