横綱日馬富士(30=伊勢ヶ浜)が9日、都内で開かれた「第5回地域再生大賞」のシンポジウムに出席。法政大大学院に在籍する縁で「モンゴルと日本の地域づくり」について講演した。

 日馬富士は「モンゴルは資源によって経済発展していますが、資源は掘って終わるもの。人の教育は全く前に進んでいないと思う」と母国の将来を危惧。「日本へ来て大相撲に入って、皆さまの支えのおかげで今がある。日本の“おかげさま”という社会(文化)をすごく尊敬しています。これから僕はモンゴルの子供たちに日本の文化と歴史を伝えていきたい」と教育活動に意欲を見せた。今後はモンゴルの小学生を日本に招き、文化交流に貢献するプランも披露した。

 日馬富士が講演の中で強く訴えていたのは「心」の大切さ。「僕の父がよく言ってました。『人の信頼を裏切れば、死んだことと一緒。自分が間違った時に、それに気づき胸が痛くなることは、その人の才能です』と」とも…。

 くしくも、横綱白鵬(29=宮城野)が審判批判で大騒動を巻き起こしたばかり。その後はダンマリを決め込み、正式な謝罪は一切していない。日馬富士に他意はないとはいえ、何とも対極的な言葉だ。かつて日馬富士といえば、ダメ押しや素行の悪さが問題視されたこともあった。白鵬の“オウンゴール”で、両横綱のイメージは完全に入れ替わりそうな雲行きだ。