大相撲秋場所7日目(18日、東京・両国国技館)、カド番の大関貴景勝(25=常盤山)が幕内若隆景(荒汐)を押し倒して3勝目(4敗)を挙げた。会場がどよめくほどの鈍い音を立てて頭から当たり、相手に圧力をかけると最後は豪快に土俵外に追い出した。

 首の不安を振り払うかのような激しい当たりを見せ、勝ち星を拾った貴景勝は「(内容は)集中していたので覚えていない。初日とあんまり変わっていない。毎日、一所懸命に準備するしかない。明日も一所懸命やります」とカド番脱出に意気込んだ。

 3連敗スタートもその後に連勝し、関脇転落への不穏な流れを一時、断ち切ったかと思われた。しかし前日に黒星。もしこの日も負ければ再び嫌な展開となるところだったが踏みとどまった。

 審判部副部長の藤島親方(元大関武双山)は「本来の動き。こういう相撲を取れれば自信になってこれからに望みをつなげていける」と評価した。苦しい戦いが続くことが予想される中、この日の勝利は一つの光明につながる貴重な白星となった。