〝愛のムチ〟に発奮した!? 大相撲秋場所4日目(15日、東京・両国国技館)、大関正代(29=時津風)が幕内隆の勝(26=常盤山)を突き落として3連勝(1敗)。新横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)と1差をキープし「最後までついていきたい。ただ、あまり気負わないように」と自然体で追撃する構えを見せた。

 1年前の昨年秋場所で初優勝を果たして大関に昇進。しかし、その後は地位に見合った成績が残せていない。8月の合同稽古に参加した際には、見守っていた春日野親方(元関脇栃乃和歌)から稽古態度を叱責される場面もあった。他の関取衆と談笑していると「なめてんのか、それが大関か、おい。ペラペラおしゃべりするなら来るな!」とカミナリを落とされたのだ。

 ただ、同親方は厳しい指導だけでなく、人情味あふれる人柄でも知られている。叱責の直後には大関に「堂々といきなさい」と声をかけ、フォローを入れることも忘れなかった。正代は「ちょっと緩んでいた、たるんでいた部分があった。そこを見透かされたのかな。春日野親方も(自分と同じ)大学出身力士なので気にかけていただいているところがあると思う。それには応えていきたい」と振り返る。

 大関は好成績が求められるだけでなく、他の力士の模範となるべき立場。この一件は、正代にとって看板力士の役割と責任を見つめ直すきっかけにもなった。「(大関は)一番一番の重みというか、そういうのはやっぱり違う」。叱ってくれた親方の期待に応えるためにも、ひと皮むけた姿を見せたいところだ。